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zoom RSS 尻獣シリラ(前編)

<<   作成日時 : 2017/06/03 00:12   >>

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★ノヴェライズ版『シリラ』


みなさんこんにちは。香山滋ならぬ顔山茂というバッタ者です。
香山滋というとおなじみ初代『ゴジラ』の作者として有名ですが、今回わたくしも怪獣の話をします。
なんじゃこれふざけた話だなーと挫折するかもしれませんが、しばしの間お付き合い下さい。

画像


第一部「シリラの誕生」


クリームスープ

シリラとは尻の怪物である。なぜ尻が怪物化したかは定かではない。
舞台は四国中央市にある一般会社員の自宅のお風呂である。
会社員花田首夫は、その日、いつもの時間(二〇時頃)に風呂に入ろうとした。脱衣場で着衣を脱ぎ、フロの扉を開けた瞬間、花田家で使用しているシャンプーの香と共に風呂場の湯気の中から何かの気配を感じた。
そこには先に入浴して上がったはずの娘の成(なり)が、素っ裸のまま、風呂桶の湯をかきまぜ棒でかきまぜている真っ最中であった。
しかし湯船を一瞥するだけでその中身が泡であふれかえっていることがすぐわかった。
「こ、こりゃ、何をしてるのや?」
首夫が思わず叫ぶが、娘はその声に驚く様子もなく、「あら、お父様、今ね、おいしいスープを作ってるのよ」と言い放った。
「スープ?」
まぎれもなくそれはスープ‥ではなく、完全にシャンプーであった。成はポンプ式のシャンプーを泡立った湯船めがけて何度も押し、更にそれをかきまぜている真っ最中だ。
「やめれ、勿体ない!」
首夫のつっこみが狭い風呂場に響き渡った。
「勿体なくはないわ、おいしいクリームスープよ。たくさんお召し上がりになるでしょう」と、成は常にマイペースのお嬢様だ。
一週間ほど前に、会社の同僚から貰った西洋の童話『鱈雪姫』と『こぐまのスープ』というアニメのDVDを見てから、その童話の中に登場する鱈雪姫のお嬢様言葉遣いがそのまま乗り移ってしまったのだ。しかもこぐまが作ったスープこそ、今まさに成がかきまぜているクリームスープの実写版なのである。
「じゃあ、お皿につぐわ」
「お皿て、洗面器やないかい!」
フルチンの首夫が前をブルブルさせながら、なんとかやめさせようとするいとまもなく、成は手桶をおたま代わりに、洗面器に自称クリームスープをついだ。そして大変お上品な笑顔で父親の前にそれを差し出しながら
「はい、これがお父様のスープ」と言おうとしたが、うっかり「お父様のシャンプー‥あ、スープ」とすべってしまい、首夫も思わず苦笑いしながら「シャンプー言うてしもてるやないか‥」と力なくつっこんだ。
これを飲むふりをしなければ、このくそしょうもないミニ童話は終わらないのか?‥フルチンの首夫はそう思いながらも、とにかく泡をのぞいてあったかい湯船につかって一日の疲れを落としたい一心である。
「おいしいからもう終わろう」
大人特有の一旦完結方式でこの童話を速く終わらせたかったのだが、成はもう一つの空いた洗面器にもう一杯つごうとしている。
「これ、それはなんよ?」
「これはお母様の分よ」
「お母様の分も要らん!もうやめい」
そろそろ本気でキレようかと首夫が思った瞬間、成が叫んだ。
「あっ、スープの釜に何か具が入ってたわ!」
湯船の中から何かが顔をのぞかしているのだ。
「具て?おまい、また何か入れてるのか?」
首夫が、泡も少し落ち着いたであろう湯船をかき分けた。そこには具ではなく、明らかに人間のお尻があった。
「あ!具やないぞ、これはお尻だ!」
「え?おしり?」
成も突然現れた予想外の具の正体に驚いている。
焦った首夫が聞き返す。
「おまいが入れたんやないんか?」
しかし、成は首を振って
「知らないわ」
と、まだお嬢様言葉で返した。
お尻は、人間のそれのようであるが、色が違いすぎる。肌色というよりはやや青味がかっているのだ。それはまるで百均ショップで売っているような、放っておくとすぐカビてしまう安物のビーチボールのようでもあった。
「兎に角、出せ!」
「いやよ。知らないわ」
「もう!」
首夫が青い尻に手を伸ばした瞬間、その青尻が一気に風呂桶一杯に大きくなった。
「え?」
「きゃああ!おしりの化物よ!」
そして、スープの中から突き出し成長した青尻は、うそみたいな音色の屁をこいた。
ぷひふ〜ううう‥
その音が鳴り止まぬか否かに続いてこれまたかいだことのない悪臭を放った。それは屁の臭いというより屍の臭いがした。
「ふぎゃくひゃああ!!」
「っ臭ッ!」
毒ガスをもろに食らった親子は尻を真ん中にしてきれいに左右に分かれるように床に倒れ、そのまま気を失った。
やがて湯船の青尻は、あれまこれまという間に巨大化し、風呂桶を破壊すると、なおも成長を続け、屋根さえも突き破り、家は原形をとどめることもなく巨大な尻のシルエットだけが花田家の残骸を足場にしていた。


怪獣現れる

午後9時1分を過ぎた頃、予讃線伊予三島駅付近の薄っぺらい住宅地から火災が発生され、地元の消防団と消防隊がかけつけた。四国中央警察からの出動された複数のパトカーのサイレンに起こされた早寝の老人もいる。
そしてその火災の向こうには風呂から成長し、花田家をめちゃくちゃに壊して巨大化した、あの尻の化物がじんわり動いている。それは真紅の炎から顔をのぞかせた不気味な二つの山にも見えた。
湯船から顔をのぞかせたお尻の部分が頭になっているので、おそらくこの化物は肛門から呼吸をしているものと思われる。青白い尻の山は小刻みに上下しながらゆっくりと近隣の家屋を破壊し、今度はその下半身をあらわにさせた。なんと、尻の下半身には二本の巨大な足と尻尾と思われる短い部分も存在していた。足と尻尾は全身と同じく青白い色だが、何やら発光色素でも塗りたくったかのようにぬるぬる光り、破壊された家々から発せられた炎に反射し、不気味な色へと変色していた。
慌てて非難するの村人の一人が、その容姿を一見し、思わず「シリラだ!」と叫んだ。おそらく根拠はないと思うが、巨大なお尻の化物=シリラという安易なネーミングに、大衆はなんとなく納得しながら逃げていた。
すでに山の上の方の神社へ逃げて来た若者の中には、シリラの様子をスマホの写メでとらえ、SNS上にアップしするなどの余裕をかましている姿が数人見られた。おかげでこの情報は瞬く間に全世界へと配信されたのである。しかし、今時怪獣なんて信じる者も多くなく、どうせまた流行のデジタル処理で誤摩化されたUMA映像の類だろうと疑い、デマであることもついでに配信された。そして、SNSの騒ぎがそろそろ本格化した頃、当のシリラはというと、住宅地から少し離れた海岸増へと移動を始めていた。幸い住宅街が薄っぺらなので大した被害もなく、シリラは壊すものもないのでゆっくりと歩いて海辺の方へ向って行った。
その頃、配信された様々な情報を元に、早速近辺の動物園や水族館、自称生物学者までもが配信された動画などの情報を元に、それぞれこの生物が何であるかを分析していた。明確な解析は得られなかったが、未確認生物には間違いない。しばらくは避難民の名付けた「シリラ」で通すことに結論づけた。砥部動物園のアザラシの飼育係、越智氏の解釈は、マナティかジュゴンの突然変異で、尻に見える部分は頭の形がそう見えるだけではないかというもっともらしい考察であったものの、園長に「違うやろ」と冷たく一蹴された。その後、越智氏は、日頃の園長に対する鬱憤が爆発したかの如く匿名で園長の悪口をSNSでつぶやいたばっかりに、フォロワーからドン引きされていた。
一方、シリラはというと、まるで本物のマナティかのごとく、上手に手足を使って泳ぎ、そのまま沖の方へと消えて行った。
シリラ出没後すぐ、愛媛県知事は自衛隊に災害要請をかけた。しかし、いかんせん限界集落のこの地まで救助隊が到着するには時間がかかるうえに、その間シリラの行動が予測できず、ひたすらおろおろするだけであった。
海上保安庁第十管区内からの要望としては、保安船が到着するまでシリラを伊予灘方面に移動させるなとのことであった。つまり、現在シリラのいる海上から佐多岬半島の方へ向わせると、そのまま伊方原発へ上陸する恐れがあるのでなんとか阻止して欲しいとのことだ。
地元の漁師は漁船を潰されないよう漁を中止した数隻が陸へ戻ってくる間にもシリラがいつ現れるかが予測できない。やがて自衛隊が到着するよりも速く地元CATVの一般リポーターが自家用車で着いた。
その時、シリラは、中央市の沖合の中心から休むことなく移動し、愛南町一番田舎の、ポンコツ集落といわれる旧西海町の西浦湾へその巨大な尻(頭)を浮上させた。
伊方原発からはだいぶ離れたものの、人口100にも満たない集落へ現れたため、逆に町内全滅の危機が懸念された。やがてシリラは、餌を求めて、地元の漁業が一番恐れていた漁区集中攻撃を起こすかのように徐々に海域を荒らし始めるかに思えたが、時間経過につれて巨大な体は海中に消えて行った。

宿毛海上保安部からの指令により、宇和島水産高校の船三隻がシリラを追って出港したその頃、宇和島から南へ一時間の田舎(といってもこの地位域ではまだ都会)旧城辺町では、南予レクリエーション、通称「南レク」の従業員で、南宇和高等学校農業科卒業生の黒岩蒸(むす)が、三年間の畜産のノウハウを活かすべくシリラの生け捕りを考案していた。しかし、保安庁のヘリコプターが西浦湾を旋回するもシリラらしき物体は見当たらなかった。水産高校の船のレーダーにもそれらしい影を確認できない。果たしてシリラは深海へと潜って行ったのだろうか? 黒岩は、出勤してからもずっと小型ラジオから耳をはなせないでいた。黒岩の仕事部屋からはお土産物売り場に直結しているので、お土産売り場に新卒で入社した西垣よし子は、二年先輩の黒岩のラジオに集中している横顔が恐ろしいものに思えて気色悪かった。気色悪い黒岩は、仕事用のパソコンで四国中央市民提供のシリラの映像があげられたネットに注目していた。事務所にテレビがないのだが、ネットで配信されている地元のテレビ局のニュースにも勿論チェックしていた。シリラはひょっとするともっと気のきいた獲物を求めて太平洋側へ向ったのではないか? そんなかすかな希望を持ちつつ仕事もそっちのけでニュースに釘付けである。
しかし、黒岩や地元漁師の願い空しく、深夜にシリラは西浦湾沖一帯を囲むように設置された多くの生け簀の網を海底から食い破り、日時をまたいで、次に姿を現した時には養殖された魚はほとんど食われているという、地元産業を死滅させる散々な状態に陥らせていた。しかも、海面には数羽のサギやかもめの屍骸も見られ、これもシリラの餌食となったものと思われた。恐るべし巨大尻獣!


尻沢博士

政府は直ちに「シリラ特設対策本部」を設置した。わが国のリーダーの阿鼻首相は米国新大統領との会合を先延ばし、日本の安全を最優先に考えた。
やがて小さな限界種楽に轟音と、そして集落民のどよめきとともに自衛隊の戦闘機三機が、西浦湾上空へ到着した。そしてそれぞれ三方向へ分散した機体からは麻酔薬入りのスペシャルロケット弾がシリラの腹部めがけて発射した。しかし、シリラはびくともするどころか、「ブオオオ〜ッ」という咆哮の後、目障りとなった戦闘機三機をまるごといっぺんに頭上の溝に位置するに肛門らしき穴から噴出した放射能火炎によって吹っ溶かしてしまった。戦闘員の絶叫すら聞こえないほど一瞬のできごとであった。
自衛隊がシリラに敗北している間に、宇和島湾に面した「調子良く研究所」では、防衛軍直属の奇怪物特別捜査隊、通称「奇特隊」のキャップ 村松と、研究部スタッフのベテラン、ノンキャリ博士たちが集結し、調子良く研究所の所長で超合金属学者の尻沢長助にシリラ対策の相談をしていた。
「尻沢博士、君が開発したメカロボットで、シリラを殺さずに捕獲してほしいのですがいかがなもんでしょう?」
博士たちの年長者である考古学者の山目博士が切り出した。博士達よりもだいぶ若い、まだ40代の尻沢は少し考えたが、
「しかし、あのメカロボットはまだ完成品ではないのです」と答えた。尻沢博士がこの申し出に積極的でないのには理由があった。尻沢とその助手達は、「キューティーホニー」という女性型変身アンドロイドの研究チームを設置し、その開発に四年がかりで取り組んでいたが、数週間前、その実験日当日、変身用のスイッチを動き出したアンドロイド本人が入れたとたんに爆発。俗にいう大失敗をやらかしたばかりで、相当慎重かつ神経質になっており、うかつに「協力しましょう」と胸を張って発言できない心境なのであった。
博士達の一人、最年長の山目博士の顔が一瞬曇ったので、尻沢は気を遣ってか、
「まあ‥動かなくはないのですが‥」と小さな声で話し始める。その言葉に山目博士の目に一瞬の希望が走ったが、後に続く尻沢の言葉は重かった。
「特殊な武器装置が装着されてないので‥シリラの放出する肛門火炎に耐えられるのかどうか‥」
マイナス思考の尻沢に業を煮やした村松が中に入った。
「肛門火炎なんか、おたくの発明した加熱代謝性の超合金で覆われたメカならなんともないでしょう!」
「いや、キャップ、そうは言いますが、まだテスト走行すらできてないもので‥」
「なんやったらうちのハヤタ郎とアメフラシ両隊員を操縦させますよってに」
村松は河内天美出身の気の短い典型的な関西人である。
「キャップ、僕は何もシリラ捕獲に非協力的な意見ではないのです。むしろ恩師である山目博士には同意見で、殺さずに捕獲してこの未生物の生命体について研究したい気持ちで一杯なのです」
「ほな、なおのこと発進させましょう!今からハヤタ郎隊員に連絡して来させますわ!」
村松は胸のバッジに手を伸ばした。それは奇特隊のシンボルでもあるクエッションマーク型の無線機で、松山市に位置する奇特隊本部に繋がっていた。
「待って下さい! 僕が一番恐れているのはこのメカがもしシリラ捕獲に成功したとしてもなんらかの形で各国に知れ渡り、北朝鮮やイスラム国等に使われることを恐れているのです」
尻沢の煮え切れない気持ちが遂にコトバになって漏れた。しかし、こうして対立している間にも村松の無線機には、シリラによる情報が続々入って来る。今までおとなしく話を聞いていた山目博士の助手である豆豆が、拝みながら
尻沢の前に身を乗り出した。
「尻沢博士、ただでさえ人口のない過疎の村の尊い命をたくさん奪ったシリラを捕獲する為にメカロボットを使わせてください。僕の実家の犬も踏まれて殺されたそうです」
「なに!犬が?わかりました」
「ありがとうございます!」
豆豆は所内に響かんばかりの大声で叫んでいた。
尻沢は大の犬好きであった。


メカシリラ

すでに西浦湾の沖の獲物を食い尽くしたシリラは引き潮の浅瀬にまで上陸していた。海岸は石浜が荒らされ、石のすきまからはその地域の海岸に繁殖する、地元民から「にっちんこ」と呼ばれるミミズに似た黒い環形動物の干涸びた屍骸があちこちに見られた。桟橋の船や貸しボートの類は完全にひっくりかえったまま浮いていた。シリラは漂流物である大量の流木を踏みつけたせいかその両足にコールタールをくっつけたまま、それなりに食べられる雑草やら動物の屍骸やらを求めてその付近の岸壁を両手で漁っていた。そしてその都度、頭部に位置する見た目は肛門であるはずの穴に漁った獲物を放り込み、その都度もぐもぐさせていた。
やがて、シリラが「ウン‥」という飲み込んだであろう変音をさせた後、自分の背後にもう一つの影と気配を感じた。山目博士と村松キャップは、その光景の見える高台で息をのんで様子を伺っていた。
シリラはゆっくりとうしろを振り返る。そこには、自分と同じ背丈の巨大な形をしたそれでいて、完全に金属系の光を放つ固形物が突っ立っていた。
金属の影は、頭部の部分に怪しく光る目玉をシリラに向けてじっとしている。メカロボット(‥それは結局先ほどの集まりの後「メカシリラ」と命名された)だ。
目玉から放たれたハイビームのライトは、シリラの小さな目玉をとらえ、その小さな目は少し眩しそうにしていた。操縦室には、研究所の職員で、元4トントラックの長距離ドライバーの過去を持つ加太(かぶと)コウジが操縦している。コウジは、研究所に隣接する海洋博物館で物産の卸を手伝う予定であったが、シリラ出現のため、研究所の宿直室に詰めていた。そして尻沢から急遽呼ばれ「トラックを運転する感じで」という漠然とした口頭マニュアルを聞いて、試運転のつもりで乗り込んだはずが、まさかの怪獣の捕獲に指名され、緊張しつつもどこかワクワクしていた。しかし、実際に、目の前にした未知なる巨大怪物に、ひたすら見入っていたので、ハンドルを握りしめたまま何も出来ない。フと気がついたら左ハンドル脇の無線機から尻沢の声が聞こえてきた。
「コウジ君、聞こえるか? 応答せよ」
「あ、博士、聞こえてます」
「山目博士から情報によると、シリラの弱点は肛門の部分を攻撃するとおとなしくなるとのことだ。尻の穴を狙って捕獲せよ」
「し、尻の穴ですか? どうやって狙うたらええのや‥」
「怒らせないように時間をかけて捕獲するのだ」
「は、はい、兎に角、やってみます」
とは言ったものの、コウジはニュートラルにしていたギアに手をかけたが、「GO」の方向にギアをすべらすには若干の勇気がいった。
一方のシリラは、突然目の前に立ちはだかった鋼鉄の黒い城に「?」を頭に浮かべたまま時折その尻(頭)をかしげるだけである。メカシリラの目の裏っ側で、コウジは意を決したようにギアを移動した。メカシリラの胴体の部分から「ウウーン」というエンジン音がバイブレーションとなって座席の尻の部分に響いた。
「ようしこうなったら‥(必殺技)ジェットフューチャー!」
と、叫んだが、そのすぐ後に「あ、このメカ、そんな武器ついてないんやがな‥」と自分につっこんだ。
「しかし、惜しいな、こんなスゴイメカなのに‥何か叫んで攻撃したいな‥ロケットパーンツ!なんちゃって‥フフフ」
コウジは叫び声をあげる度にテンションも高くなってきた。
「いいね、なんかロボットのコックピットにいるって感じやな〜実際いるしな〜‥もういっちょかましたれ、ブレストバーン! ハハハハハ、ノってきたで〜‥ホットプレート! ハハハハハ!‥なんでもええがな、タケダスポーツ!‥」
このタケダスポーツとは、つい最近、コウジがユーチューブで何気なく見ていた地方CMの一本で、「タケダスポーツ!」という叫び声でCMは始まり、それが何パターンも続く映像を見たばっかりに、無意識のうちに耳に残っていたフレーズである。この「タケダスポーツ!」をコウジが絶叫したと同時に、シリラの肛門から火炎放射が大放出され、メカシリラの全身は一瞬にして真っ黒濃げになった。コウジの大絶叫の後、やがて一気に炎が冷めた時、骨組みだけになった廃棄物の頭部(それはコウジがいる部分)がストンと地面に落ちた。
研究所の窓から尻沢は信じられないような光景を目の当たりにし硬直していた。その背後で豆豆の「‥超合金溶けたやん‥」という呟きが聞こえた。


つづく

※この小説は、映画【シリラ】(in「大怪獣チャランポラン祭り 鉄ドン」)の原作です。次回は秘密兵器「ケツコロイヤー」登場篇

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{%万歳webry%}8・26【劇画家後家殺し!】帝都プレミアム上映決定です{%ロケットwebry%}。 「劇画家シリーズ」の超最新作で最終作『劇画家後家殺し!』。去年からいつやるのか不明のまま予告だけはやたらとイベントで流して参りましたが、今夏8・26(土)によるのひるねで上映が決まりました。まあ試写会というか実験上映です。なんせまだ完成もしてないのでどうなるのかわからんのですが‥とにかく日を押さえましたのでお越し下さい。 悲劇のヒロイン、カニ女と探偵の恋の‥いや変の行方やいかに??... ...続きを見る
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2017/06/04 21:52
尻獣シリラ(後編)
読み苦しい部分もありますがご了承下さい。前編はコチラ。 ...続きを見る
黒のマガジン
2017/06/10 19:56

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