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zoom RSS 桜井昌一

<<   作成日時 : 2007/05/25 12:38   >>

なるほど(納得、参考になった、ヘー) ブログ気持玉 17 / トラックバック 4 / コメント 4

 桜井昌一のことばかり考えていると、失礼な話「哀れ」という言葉が思い浮かばれてならない。彼は貸本マンガ全盛期、その頃出版社が見向きもしなかった水木しげるにいち早く注目し、水木を売り出すために、劇画家から出版業に転じ、自社で水木の劇画を世に送り出した貢献者の一人だ。水木マンガのレギュラーともいえるメガネ出っ歯のモデルが彼であることは、水木ファンでなくとも劇画マニアなら御存知のはず(か?)。
 桜井は1960年代前半、自社から売れる気満々で出版した『悪魔くん』が、サッパリ売れず、半泣き同然で水木に打ち切りを宣告し、よりにもよって水木は、主人公の悪魔くんを作中、中途半端な展開のまま殺してしまったのである。本当に悪魔を呼んでしまったのはこの水木と桜井だったのかもしれない。
 その後水木はふって沸いたように妖怪「金霊(かなだま)」に獲り憑かれ、アレマテオレマといわんうちに貧乏神から開放される。一方の桜井は、それでも倒産することなく、地道に自費出版や印刷業をこなし、水木の限定本などを出版していく。しかし、文庫マンガの走りというべく桜井文庫を立ち上げ『河童の三平』を出版するも、全く同時期に二見書房から三平が桜井文庫よりも格安、しかも多部数で出版され、桜井は予約者に詫び状を書き、在庫の山に頭を抱える羽目となる。この問題は水木本人だけではなく、桜井を知る人間達の間でも重大な事件だったようで、つげ義春も自分の日記に「水木−東考社間の問題であって局外者が騒ぐことはない。パチンコ二百円でロングホープ八個。近頃にない成果なり」と、実につげらしいアッケラカン記述を残している。
画像

                      フルチンで約束されても信頼性はないが…

 いつも脇役の出っ歯も、短編集では主役をはることが多い、というか、ほとんど主役だ。中でも水木の実体験を基に描かれた、桜井が主役の(実際には別人の話だが顔は桜井である)「さびしい人」という作品は、ことのほか全編さびしかった。
 つい最近は次長課長の河本が、このメガネのキャラを実写で継承している。河本本人は当の桜井なんか知ったこっちゃないのかもしれないが、この物まねを見るたびに、嬉しくて笑ってしまう反面、ちょっぴり切なくなってしまうのである(まあでもずっとやっててほしいとは思う)。 
 桜井が逝ってはや4年が経った。しかし存在だけは永久に残りそうだ。

○桜井昌一必須キーワード
桜井文庫
貸本マンガ史研究13号
水木しげる
★劇画工房など
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なんだか意味不明の日記になっちゃった。 ...続きを見る
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テレビくんといえばやぱ流血だ‥
「ゲゲゲの女房」を見返しとるのですが、やっぱり金があると何でもできるな〜と思ってしまいますね。 ドラマは貧乏の話ですが、セットや小道具に金がかかっとるのです‥あ、これ前回も言いましたか。 やぱどうしても桜井さん(ドラマでは戌井さん)に感情移入してしまいますね。男の悲哀。 ...続きを見る
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水木しげるが死んで僕はふぬけになったままではあるが、色々整理してると変な思い出がいっぱいあったりするので勝手に書きなぐってみます。 ...続きを見る
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コメント(4件)

内 容 ニックネーム/日時
はじめまして。
ゲゲゲの女房に出てくる「戌井慎二」さんはどんな人なのか知りたくて、色々と検索をしてこちらにたどり着きました。
あの出っ歯の眼鏡キャラが桜井さんであり、戌井さんのモデルの方だと知り、とても驚きました。
出版を始めたものの紆余曲折だったのですね。
「さびしい人」という作品、読んでみたくなりました。
non
2010/06/08 18:27
ありがとございます。
桜井さんはほんまに水木の才能を開花させようと必死だったみたいで、劇画について書いたエッセイがとても面白いのですが多分絶版です。
「さびしい人」はちくま文庫の「奇人怪人大図鑑」とか、最近出たホーム社の「ビビビの貧乏時代」にも収録されてます。http://books.shueisha.co.jp/CGI/search/syousai_put.cgi?isbn_cd=978-4-8342-7470-7&mode=1
同時収録の「突撃!悪魔くん」は水木・桜井の友情がほんわかと描かれた名作ですよ。
梶原顔
2010/06/16 23:05
初めまして。今朝の「ゲゲゲの女房」に再び桜井夫婦登場。
静岡県にあります私の小さな美術館、K美術館では今、水木しげる展を開催しています。桜井文庫の「河童の三平」八巻も、桜井昌一の貸本漫画も桜井昌一氏からの葉書も展示しています。
閑人亭
2010/08/31 12:31
ありがとございます。ちょっとだけ覗きましたよ。
貸本〜ガロ…しかもつりたくにこまで…興味深い。桜井の作品めっさ見たいです。近かったら行きたいですわー。
「ゲゲゲ〜」録りだめしてるのですが忙しィっくて見る暇がないです。でも桜井夫婦出ると切ないけど嬉しいですね。
「黒のマガジン」二号(水木しげる特集)もよろしくです。
再登場梶原顔
2010/09/09 00:03

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桜井昌一 黒のマガジン/BIGLOBEウェブリブログ
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