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zoom RSS 清順をパクる!

<<   作成日時 : 2017/02/27 13:30   >>

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今月初めから鈴木清順ばっかり見てましたらこの有様です。とうとう清順死んじゃいました。
チャンネルNECOで『散弾銃(ショットガン)の男』という古い日活のアクション映画を放送してて、たまたま見たら面白いのと変なのと芦川いづみがかわいかったのとがよいバランスだったので、以前録画してた清順作品を引っ張り出して毎日見ていたのですね。
ちょうど江角マキコの話題も連日やってたので、彼女がちゃんとアクション女優演ってた頃の映画『ピストルオペラ』のオーディオコメンタリー(清順と木村威夫などみんな酒飲みながらわいわいやってる)とか聴きながら見て、ついでに以前スカイツリーの見えるホテルから阿部知代と対談した番組『メモリーズ』とかしゃべる清順の姿を色々見てた。そしてそろそろ『悲愁物語』を見ようかどうしようかと思ってた矢先にこの有様ですよ。ほんともう悲しいですね。いかんせん、僕が影響されて映画撮るきっかけとなったのは、鈴木清順ですからね(違うわ、香港映画だ)。


★宇和島の本屋で
清順が映画監督であることを知ったのは、確か中学生の頃だ。その当時(1984〜86年)、清順といえばバラエティー番組やドラマ、CMなどに出ていたので、てっきりおじいさんタレントとばっかり思っていた。レギュラー出演していた『笑って許して!』で一番印象に残っているのは、「◯○さんを当てて下さい」という今でもやってる問題に、最年長の清順が「おニャン子クラブ」を当てて周りを驚かせていた回がある。『笑って許して!』は、当時民放二局しか入らない地域の人間としては毎週楽しみに見ていた番組で、清順映画に主演したこともある長門裕之やバリ現役だった横山やすし、バックリいく前の岡田有希子なんかも回答者で出ていた。みんな逝きましたね‥淋。

そんな時、たまたま行った宇和島の商店街の先にある本屋(現在閉店)の軒先で『鈴木清順全映画』(立風書房)という白いハードカバーの分厚い本が置いてあって「ハレ??鈴木清順ってあのおじいさんよな、あの人って映画監督なん?」と何気に手に取って開いてまじびっくりした。「こ、これは何じゃ!」、スチール写真の色使いが半端なく渋い、しかもなんか子供心に怖かった。これはヤバい!と思ってすぐ置いて帰ったのを鮮明に覚えている。
その後、当時から田舎の学級の中でも自分だけが読んでいた『宝島』のカルト映画特集かなんかで、清順の『殺しの烙印』のことが書いてあり、またしても自分の中でこのおじいさん謎めいてしまった。
やがて高校時代に、ビデオ屋で『殺しの烙印』を発見し手に取ったが、何やら怪しげなパッケージに成人指定感が漂ってるので借りず、実際にカウンターへ持ってたのは、その隣に置かれていた『谷岡ヤスジのメッタメタガキ道講座』のほうだった。しかし、後日やっぱり気になって『殺しの〜』を借りようと思ってもっかいそのビデオ屋へ行ったら、なぜかもう置いてなかった。
それから五年ほど経て、京都のみなみ会館で大和屋竺の追悼オールナイトという超マニアックなプログラムをズバットという後輩と一緒に見に行って、そこでラストに上映されたのが『殺しの烙印』であった。


★大阪で再会
僕は高校卒業後、四国から関西へ出てきたのだが、宇和島で発見して以来すっかりお目にかからなくなってしまった幻の『鈴木清順全映画』は、1991年、『夢二』公開時に補足ページをおまけにつけて再び書店に並ぶようになった。無論僕も梅田の紀伊国屋書店(現在も勿論あります)でその本に再会し、ついに買ってしまった。そしてむさぼるように読んで、色々と勉強をした(つもりになった)。で、それから自分は在学していたそっち系の映画の学校で、そんな才能のみじんもないのにも関わらず、アクション映画のシナリオを数本書くようになるのだが、どうしても荒唐無稽なストーリーになりがちなので凡人に読ませたところで、ひとつも面白いと言われたことがなかった。

その頃は、田舎の品揃えが微妙なビデオ屋と違い、でっかくて品揃え豊富な店がありがたく、清順映画をレンタルしまくっていた。田舎で見れなかった『殺しの烙印』に衝撃を受けた後は『東京流れ者』『野獣の青春』『肉体の門』『関東無宿』『けんかえれじい』『刺青一代』などなどありったけのタイトルを借り、自分が初監督したアクション映画には『探偵事務所23』にちなんで「探偵事務所32」という設定にした探偵ものであった。サークル(落研)で使っていた毛氈を赤のホリゾンに見立て、窓の外の風景を無理矢理真っ赤にしたり、水たまり一つ一つに色を付けたり、果てはみかん箱から殺し屋が現れたりと、完全に清順(大和屋含む)もどきをやっていた。なので、王道好きの映画ファンからは意味が分からんとよく言われた。それは二十年以上経った今でも言われている。しかし、学校の同期には勿論のこと清順ファンもいて、それなりに話題には事欠くことはなく、彼らから『ツィゴイネルワイゼン』『陽炎座』『夢二』など大正ロマン三部作を借りたりした。岡本喜八ファンの同期にも巡り会えたりして、その縁で山田参助らにも繋がったりした。その辺の繋がりってのは、そういう系の学校へ通った財産だと思う。

そういえば清順が『スタジオパーク』にゲスト出演した時、『ツィゴイネルワイゼン』でおなじみの真っ赤なカニ登場のシーンについて、司会のアナが「あれはどういう意味ですか?」と、大変な愚問をして「意味なんてありませんよ」と予想通りの答えを食らって唖然としていたが、清順ファンでなくともあのシーンの意味なんか、その後のシーンを見ればすぐわかる話である。要するになんでああいう出し方(演出)をするのかということなんだろう。まあ確かにインパクトはあるシーンだったが演出に意味なんて聞いたりするのは素人のやることじゃん。
そのシーンの影響からか、自分が今作っている映画もカニが出て来るし、モノクロに一カ所だけ色がついてるシーンなんかは『野獣の青春』『東京流れ者』からのパクリである。映画『劇画家後家殺し!』をよろしく(何気に宣伝)



「流れ者には女はいらねえ」‥なんて言うてやるなよテツ!
『東京流れ者』を見たときは衝撃が強すぎて腰抜けそうになった。感動したからではない。「なんじゃこのへんな映画は!」と、田舎の限界集落出の自分にはショックどころの騒ぎではなっかのだ(文字の羅列まで変になったがな)。なんちゅうてもアクション映画なのにやたら主題歌が流れまくるし、しかもそれが効果音かと思えば、殺し屋達が「あ、奴だ!」とか「歌なんか歌いやがって」とか言ってるから、実は主人公がどこかで歌っているという設定だったりするので、歌ってる奴はカラオケを持ち歩いてるのか?という素朴な疑問が離れない。主演の渡哲也が歌っているのだが、なんかえらいヘタで(「スクールウォーズ」で同曲を歌う松村雄基よりはましか)、なおかつ演技もヘタで滑舌も悪い。しかしその演技が悪い訳じゃない。むしろそれがよかったりする。かと思えば、ライバル役の二谷英明も歌で登場し、それ聞いた敵がまた「あ、あいつだ!」とかやり始める。この展開、昔特番で見た『月光仮面』で、サタンの爪が往来で悪さしてたらどこからともなく「月光仮面の歌」(渋い歌声のやつ)が流れ「あ、月光仮面だ!」と言って気づくというあの設定と瓜二つなのだ。勿論どっちも脚本が川内康範だ。
この歌ってる設定もすごく好きで真似したかったな〜。実際この設定を元に僕らが作ったのは、主人公が歌いながら登場ではなく、突然着流しで登場し、待ち構えていた敵が「あいつ調子に乗りやがって!」とその出立ちにキレるというダサイものであった。

ほいでこの歌の設定、ヒロインのチーちゃん(松原智恵子)が歌手の役で出てるのだが、彼女が歌うと急に別人の声になる。渡も二谷も本人が歌っているのにチーちゃんの声は吹替え! 『清/順/映/画』(ワイズ出版)によると、チーちゃんの歌唱力がヘボすぎてちゃんとした歌手に変えたのだが、おかげで出来上がったものを見たチーちゃんにキレられたらしい。しかしこの映画のチーちゃんはいいですね。こんな魅力的な女を哲也は振り切って「女と一緒じゃ歩けないんだ」と言って捨てて去って行く。チーちゃんショク〜で固まってしまう。そしてその後、哲也はまた「東京流れ者」を歌っている。そんなことするひまあるなら抱いてやれよ!とつっこみたくなるわ。
チーちゃんはなかなかチャーミングで、わざわざタイアップのドライヤーを「これすごくいいわ♥」とおべんちゃらするほどのサービスっぷりだ。このように清順映画はバレバレのタイアップを探すのも楽しみで『殺しの烙印』なんかパロマとタイアップだったのでわざわざ米の炊ける匂いが好きな殺し屋の宍戸錠が「こいつで炊いた匂いがたまらないんだ」とサービスしていたが、その後、ごはん食べるのかと思ったら女を食っていた。



★仙人を追う
東京在住の頃は、ほんと清順映画を見る機会に恵まれていた。中野武蔵野ホールで、清順映画を全作上映するという企画があり、デビュー作『勝利をわが手に』や、すごい変な恋愛ものの『らぶれたあ』とかを見たり、渋谷のユーロスペースでもメディア化してないマニアックな作品の上映会があって『穴の牙』とか『弘高青春物語』などを見たりした。テアトル新宿だったか『ピストルオペラ』なんか二回も見たなー。『オペレッタ狸御殿』は知らん間に終わってたのでDVD買ったもんだ。しゃべってる清順の映像もコレクションしてたし、ついつい先日もネットに上がっていたしゃべる清順映像を見たばっかりであった。
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過去に、尻プロと大森一樹という異色の顔合わせでトークショーをやった時も、僕は大森監督に『ヒポクラテスたち』に出演していた清順の話ばっかり聞いていた。
数年ほど前には三宮のジュンク堂にてこれまたハードカバーの分厚い『清/順/映/画』を高額だが思い切って買った。全編インタビューだったので面白い話が色々聞けたのだが、いかんせん分厚くて重いもんで、ワイズ出版に「文庫化して欲しい」と投書したもんだ。
2009年には清順と真樹日佐夫が『悲愁物語』についての対談した週刊実話をコンビニで目ざとく見つけて即買った。勿論48歳年の差婚について書かれた週刊現代も買ったりした。一昨年の盆には、帰省して田舎で散々遊んで帰って来たというのに、バスで神戸に帰って来た直後、またしても同じジュンクで『鈴木清順エッセイ・コレクション』(ちくま文庫)を買っている。田舎からバスで帰って疲れてるにも関わらずまだ清順買うってどんだけやねんと思うが、これは仕方ない。うっかり実家に置いてある懐かしの『鈴木清順全映画』を熟読してしまったのだ。それぐらい影響されたということだね。すなわち現在の心境は相当淋しいですよ。でも作品は残ってるのでいつでも見れますわね。


3月4日は鉄ドンとギャグマンガ講座だよ!
わー!いよいよ今週だ!4日(土)ゆうばりでは『大怪獣チャランポラン祭り 鉄ドン』が、東京ではよるのひるねで『昭和のギャグマンガ講座』が開催されます。どっちも見てねーというのは無理なのでどっちか来て下さいね。東京での関連イベントは今年は最初で最後です。http://09020586.at.webry.info/201702/article_1.html

3月10日(金)は、赤塚不二夫研究部のつヅ才プロが京都の誠光社のイベントに出演します
「スペクテイター〈赤塚不二夫・特集号〉の舞台裏について大いに語らせろニャロメ!」
2017年3月10日(金) 開場:18時半/開演:19時/終演:20時
会場:誠光社 京都市上京区中町通丸太町上ル俵屋町437 TEL:075-708-8340 seikosha-books.com
出演:青野利光 & 赤田祐一(スペクテイター編集部)/つヅ才プロ
概要:スペクテイター最新号〈赤塚不二夫・特集号〉の制作に尽力くださった、関西をベースに活動を続けている"つヅ才プロ"のお二人を招き、本誌で紹介しきれなかった赤塚マンガの魅力や編集の舞台裏などについてアツいトークを披露します。
http://www.seikosha-books.com/event/2135画像

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